
厚生労働省の発表によると日本人の3人に1人がアレルギー症状に悩まされているとされています。たとえば、ぜんそくの発症率は50年ほど前まで約1%といわれていましたが、最近では大人で約3%、子どもでは約3%〜7%という結果が出ています。またアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎も10%を超えており、日本はアレルギー大国になってしまったといえます。
アレルゲンの除去が予防・改善の基本
アレルギーは一度かかってしまうと体質を変えることが難しく、とてもやっかいなものです。ところが花粉症の鼻炎が、花粉が飛ばなくなると良くなるように、原因(アレルゲン)を取り除けば、症状を改善することができます。したがって、アレルギー予防策としては、このアレルゲンを身体に「寄せ付けない」「取り入れない」ことが基本となります。
ほとんどの症状はダニが原因
近年の研究によると、年齢が上がるにつれて食べ物を原因とするアレルギーは減っていく傾向がみられるのに対し、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の原因となる、ダニ抗原は、乳幼期から強く関与しており、年齢が上がっても減る傾向はみられません。たとえば、ぜんそくの場合、2歳以上では7〜9割もダニが関与することが国際アレルギー学会でも認められています。
ダニが原因というと、ダニが皮膚を刺してアトピー性皮膚炎になると考える人も多いかと思いますが、ダニの糞や死骸を鼻や口から吸い込んだり、皮膚に触れるだけでもアレルギー反応は起こってしまいます。したがってダニ対策で重要なのは、室内で空気中から吸い込むダニの糞や死骸の量を減らすことです。空気中のアレルゲンの量が10倍になると、体内へ取り込まれる量は100倍、1000倍になると1万倍へとどんどん増加してしまうのです。つまりアレルギーの予防・改善で最も大切なのは掃除など住環境の整備なのです。
2年で10万匹以上!?ふとんはダニの温床
ダニは暖かくて湿気のある環境で繁殖しやすく、人間のフケや垢、食べ物のカス、カビなどをえさにしているので、ふとんはダニがいちばん繁殖しやすい場所です。1匹のダニがふとんの中に入り込むと、半年で3万匹以上、2〜3年後には約10万匹にも増加するといいます。さらにふとんの上げ下ろしをすると部屋の空気中のアレルゲンは約1000倍になるというデータも。また、寝室は大人ならば1日6時間以上、子どもなら10時間以上、最も長い時間を過ごす場所。夜中から明け方にかけて、ぜんそくの発作が起こるケースが多いのは、空気中に舞って降りてきた、床上20cmあたりに浮遊するダニの糞や残骸を大量に吸い込んでしまうからです。よってふとんや寝室をいかに清潔にするかが重要なのです。厚生労働省の治療ガイドラインでも、まず「清潔な寝具を使用」、次に「寝室の清掃」が治療への第一歩になるとしています。
